2016年10月03日

3039話 村八分村


 玄武谷は村八分になった人達が移り住んでいる。村八分村と呼ばれ、村そのものも近在十二ヶ村から村八分を受けている。玄武谷はもう畑程度しか耕作地はなく、自給自足は難しい。しかし、十二ヶ村の村々の向こう側からはのけ者にされていない。しかし、そこへ出るには十二ヶ村を通らないとだめ。
 そこで里を諦め、山側に注目した。そこから先はもう人が住んでおらず、村もない。しかし山々を行き来している人達がいることは昔から知られている。
 この人達は定住しないので村はない。その山の人達の移動距離はかなり広い。独自の山の道があり、そこを移動しているのだ。
 玄武谷の人達は、そこと交流し、必要な品などを手に入れている。
 玄武谷は村八分になった人達の村として、それなりに上手く行っているのだが、その村にも村八分があり、仕方なく村から追い出された人達が、もっと山奥で村を作った。
 しかし、そこでも村八分が起こり、さらにまた逃げ出した人達が村を作ったが、そこはもう人など入り込まない深山幽谷だった。流石にここでは暮らせないので、山の人達に混ざった。
 山の人達も、それなりに組織があるのだが、山中で行き合う程度。挨拶程度で済んだ。山は広い。そのため互いに出合うことも希だ。
 またこの人達も決まった場所に住んでいる期間がある。相性の悪い仲間がいる場合、棲み分ける。別の場所でキャンプを張るようなもの。山は広い。簡単だ。
 村八分を受けた人達は同じ場所にしがみついているからいけないのだと悟った。ここの人達は何処の誰だか最初から分からない。
 こういう山の人達も、里に下りてきて、村を作れば、同じように村八分をやるのだろう。
 
   了


posted by 川崎ゆきお at 10:22| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする