2017年01月30日

3156話 落ち着く


 落ち着いたものとは、落ち着いたものだ。だから、それで落ち着いた。落ち着きのあるものではなく、なんやかんやでそこに落ち着いたもの。とどのつまりのようなもので、結局のところ、そうなったという感じだろう。
 落ち着いたものを望む場合は、今、落ち着かないためだろうか。落ち着くまでの過程だが、何処に落ちるのかが分からない。落ちて着く。だから上昇ではなく、下降。または宙に浮いたような状態からの着地。地面は噴火や地震でもない限り、安定している。
 落ち着き先というのもある。これは引っ越しだろう。仕事先が落ち着いたとも言うが、それまでウロウロしていて定職がなかったのかもしれない。または転職先を探している状態。
 落ち着いた人というのは、仕草も落ち着いているのだろうか。ドタバタしない。または精神的に落ち着いていることでもあるが、上にも下にも横へも行かず、じっとしているようなものだ。
 また、落ち着いて考える場合もある。興奮しており、よく考えない状態ではなく、気持ちが落ち着いたときに、気持ちを落ち着けて考えることだろう。これも精神状態の落ち着き加減だろうか。
 落ち着きのない人もいる。フワフワ、ドタバタしている様子が目に浮かぶ。当然座っていても貧乏揺すりをしたり、何処かを触ったり、目をキョロキョロさせたりの動きが多い。
 しかし、落ち着いて考えていると遅い場合がある。今すぐ判断しないと、とんでもないことになる。家が火事なら、何も考えないで、火の回らないところへ逃げることだろう。
 また、落ち着きのない興奮した状態、目先のことだけを気にしている人の方が、とっさの判断で、そのときの勢いでやってしまったことの方が正解だったこともある。落ち着いておればいいということではない。
 落ち着くとは、落としどころの問題で、落ち着いて考えたことがいい考えであるとは限らない。また、何も特に思案もない状態でも、なるようにしてなってしまい、そこがいい案配の落としどころになる場合もある。
 
   了


posted by 川崎ゆきお at 11:07| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする