2020年10月26日

3914話 芳田山縁起


 芳田山というのがある。平地にいきなりできた山。盛り土にしては広すぎるし、また高すぎる。近くの山からはかなり離れているので、その繋がりがないようだ。しかし、山から根でも出ているのだろう。いきなり小山がポツンとあるのはおかしいが、似たような山もある。かなり離れた場所だが、平地にいきなり山がある。かなり高いし広い。地名に島が付いている。もしここが海なら、確かに島だ。
 芳田山の麓に神社がある。鬼供養で有名で、山から鬼が下りてくるイベントがある。しかし低い山で、山らしいのは山頂程度。
 奥山からの鬼ではなく、すぐそこから降りてくる。山頂にワープポイントでもあるのかもしれない。当然、この山の上空に空飛ぶ円盤がかかることがあり、目撃例が多い。いずれも芳田山の真上に光るものが写っている。
 周辺は昔からあるような家が多い。建売住宅が山の斜面を這い上がるようなことはないが、麓の一部はそうなっているが、石の階段があり、いい感じだ。
 その住宅ができる前は神人の長屋や宿舎が軒を連ねていたらしい。敷地はそのままなので、その頃の階段や石垣などが残っている。神人とは神職と言うより、僧兵のようなもの。
 麓の芳田神社に神人がいたようだが、今は当然、そんな人達はいない。
 芳田山へは自由に上り下りできるので、近くの人が犬の散歩などで、よく来ている。しかし、山頂まで上る人は希、犬の散歩コースとしては遠すぎる。
 山頂は自然のままの放置状態なので、原生林に近いが、高い木は少ない。
 その木の幹の股に鳥の巣のようなものがある。近付くと、結構大きい。巨鳥の巣のようだが、人が巣ごもりしている。修行の一環だ。ここで籠もる。お籠もり堂のようなもの。
 近所の散歩人が山頂まで行かないのは、そのためだ。ややこしい人がいるため。
 市街地にある一寸した秘境。
 芳田山神社の由来では、芳田山は鬼山だったらしい。鬼の住む山。しかし、人里から近すぎる。そしてそこの鬼は弱かったらしく、何度も退治されている。鬼の虐殺だ。それで祟りがあると信じられ、鬼供養が始まった。芳田神社が建てられたのはそのときだ。
 吉田神社の紋章は瓦などにも使われている。桃だ。
 非常に分かりやすい。
 
   了


posted by 川崎ゆきお at 12:57| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする