2021年01月08日

3988話 ハキハキしない


 今日は何もしたくないという日がある。白川はそういう日が多い。それが普通だったりする。そんな日の中で、積極的な日がある。原因は分からないが、調子がいいのだろう。体調も。ただし天気が悪いとだめなようだ。
 その日は何もしたくない日ではなく、何かやってみようと積極的な気が少しだけ動いたのだが、天気が崩れかかったため、やる気も消えた。
 そして元の何もしたくない日に戻った。これで普通なので、問題は何もない。むしろ何かしたいと思う日の方が異常。
 しかし、出かかった覇気のようなもの。元気がまだ少しだけ頭を出している。早くそんなややこしいものを引っ込めるべきだが、一度出た元気の杭は引っ込むまで少し時間がかかる。
 それが引っ込むまで待っているとき、日差しが出てきた。曇っていた空に青空がのぞいている。すると出る杭がまだ伸び出した。
 当然沈みかかっていた元気も吹き出す。何かやる気がみなぎる。今のうちにいろいろな案件を一気に始末してしまえと、白川はメールの返事を書いたり、電話をしたりで、活発で積極的で能動的になる。
 これは体調もいいためだろう。そろうものがそろったのだ。
 しかし、長くは続かない。一日程度だが、寝るまで持つ。寝るとリセットされるので、翌日はいつものやる気のない気分に戻る。だから今のうち。
 だが、その今が変化した。ペースが落ちてきて、消極的な態度になり始めた。ハキハキしていた覇気もへなへなし始めた。
 また天気が変わったのだ。日差しがなくなり、空が灰色に覆われたかと思うと、ザーと降ってきた。
 忙しい。どっちだ。と白川は混乱した。しかし、気持ちは沈静化し、やる気は消えたので、元々の姿に戻っただけ。覇気たっぷりな方が異常なのだから。
 雨は通り雨で、そのあと嘘のように空が青い。雲はあるものの、高いところにある。
 白川の覇気がまた戻りだしたが、その往復が忙しい。
 それに、今度は騙されないぞと思い、取り戻した元気を使わなかった。せっかくの元気なのにもったいない話だが、またすぐに天気が変わり、戻されると思うと、ドタバタするのが面倒になったためだろう。しかし、元気があるので、その面倒さをいとうつもりはない。そこを突破し、案件の続きを急いだ。いろいろと決めないといけないことがたまっていた。それらを片付けているうちに、やる気がどんどん失せてきた。
 外を見ると、晴れている。天気のせいではない。
 どうも、体調の方が悪くなってきたというか、いつもの気怠い体調に戻っただけのよう。
 これでそろうものがそろわなかったので、いつもの何もしたくない状態に収まった。
 ここは安定しているようだ。
 
   了
 




posted by 川崎ゆきお at 13:56| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする