2024年08月03日

5285 日常


 日常から少し離れたくなるのは、またすぐに戻ってこれるためだ。
 今までの日常よりも快適だと良いのだが、条件が多くなり、たまになら行けるが始終行けるものではない。旅行などもそうだ。たまだから良い。久しぶりなので良い。それに旅費も掛かるので、始終行けないのはいうまでもない。
 そこが快適な場所であり、そこを日常の場にしたとしても、いろいろと問題が出てきたりする。
 日常の場ではこなせる程度の困りごとになる。つまり日常というのは安定している。こなしやすく作り上げているためだろう。
 だから日常とは常日頃のことで、ここは安心感がある。慣れているためだろう。この安心感が日常の良さ。取り柄だ。
 何事もなく日々繰り返されて行く日常。しかし、そうとばかりは言えない。非日常な突発的なことが起こるし、思ってもいないことにも遭遇する。
 これは見方によれば変化があるのだ。平穏無事ばかりの日々が続くわけがないので、それとなく分かっていたりするが。
 日常はベースであり、ホームポジションのようもの。ここが基準になっているのかもしれない。だから戻れる場所だ。
 日常が狂うと不安定になる。その日常、良いものではなくても安定感がある。
 その人にだけに該当するシステムのようなもの。
 
   了
posted by 川崎ゆきお at 11:55| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする